ロシアのプーチン大統領は8月13日、北方領土の択捉島を訪問した。ロシア大統領による北方領土訪問は、2010年に当時のメドベージェフ大統領が国後島を訪れて以来2回目であり、プーチン氏自身は初めてである。日本政府が抗議するのは当然だ。北方四島が日本固有の領土であるという従来の立場を変更する必要はない。しかし、抗議することと、ロシア側が発しているシグナルを正確に読み取ることは別問題である。プーチン氏は訪問の前日、「ロシアは日本を脅かしておらず、日本に何の要求もない」と述べた。さらに、安倍晋三元首相が日ロ両国の立場を近づけるために多くのことをしたと高く評価した上で択捉島を訪れたのである。
一方で圧力を加え、他方で交渉の入口を残す。この二つの行動は一体である。ところが日本の外務省は、択捉島訪問への抗議にエネルギーを集中し、前日の発言が持つ意味を十分に分析できていないように見える。ロシアの行動を日本の常識だけで測ってはならない。相手の主張に同意する必要はないが、相手がどのような歴史認識と論理に従って行動しているかは理解する必要がある。外交において最も危険なのは、敵意そのものよりも、相手の内在的論理が見えなくなることだ。
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