ピアニストの中村紘子(なかむらひろこ)(1944-2016)は、文筆家としても活躍した。自らもピアノが趣味で親交が深かった自民党の衆議院議員・細田博之(ほそだひろゆき)氏が振り返る ※文藝春秋2018年1月号掲載
中村紘子さんと親しくお付き合いさせていただくようになったのは、2008年頃からでした。当時産経新聞社会長だった清原武彦さんの紹介で、中村さんが自宅で年に1~2回開いていたサロンコンサートに招待されたのがきっかけです。
これは、政財界で音楽を趣味とする者を中村さんが集めて、演奏を披露し合う催しでした。出演者は清原さんの他にオリックスの宮内義彦さん、オランダやドイツなどの大使を務めた有馬龍夫さん、現文部科学大臣の林芳正さんと母上の万里子さん、太宰治の娘さんの津島園子さんなど錚々たる顔ぶれ。わざわざパンフレットも作って、各出演者に関するコメントを中村さんの夫の庄司薫さんが書くという豪華なものでした。

ただ、演奏の腕前となると、若い頃に本気でピアニストを志していた津島さん以外はみな素人芸。それでも中村さんは笑顔で耳を傾け、会の最後には短い曲を披露して下さっていました。
私は子供の頃、短い期間ピアノを習っていましたが、初歩の段階でやめてしまいました。ところが石油公団事務所長時代にアメリカに住んだことがあり、娘がピアノを習うようになったことがきっかけで、ピアノを再開していたのです。世界的名ピアニストの演奏を身近で聴ける貴重な機会なので、私も恥を承知で下手なピアノを弾きに行っていました。
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source : 文藝春秋 2018年1月号

