「睡眠薬」正しい減らし方

三島 和夫 秋田大学大学院教授

NEW

ライフ ライフスタイル 医療 ヘルス

「ベンゾ系」を飲み続けるシニアは要注意

 飲みたくない、でも飲まないと眠れない──そのジレンマを医者と話し合えないまま、何年も同じ睡眠薬を飲み続ける人は多い。

 国内で処方されている人は500万人にも及ぶ一方、先入観から飲むことに罪悪感を抱く人も多い睡眠薬。飲むべきか、飲まざるべきか。睡眠研究の第一人者で、精神科医の三島和夫・秋田大学大学院教授に聞いた。

 ハルシオン、デパス、サイレース。こうした昔ながらの睡眠薬を長年飲み続けている方が、読者にも多いかもしれません。これらの薬は「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」と呼ばれます。さらに、マイスリー、ルネスタといった「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(Zドラッグ)」も、日本ではよく知られています。こちらは名前こそ「非ベンゾ」ですが、脳のベンゾジアゼピン受容体に作用するため、どちらも「ベンゾジアゼピン受容体作動薬」(以下、ベンゾ系)と呼ばれます。

減薬は医師と二人三脚で 写真:GINTA/イメージマート

 この「ベンゾ系」は、薬の選択肢が増えた今、副作用を考えると、中高年が最初に選ぶ理由のない睡眠薬となっています。とりわけ、古い「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」はまず選ぶ理由がない。

 下の一覧で、ご自身の睡眠薬がどの系統なのか、確かめてください。

 睡眠薬の処方は、図1を見ても分かるように、50代以降に一気に増えます。にもかかわらず、認知機能の低下や転倒というリスクがある「ベンゾ系」を多くの方が飲み続けているのが、日本の実態なのです。

 この原稿では、睡眠薬の減らし方、特にベンゾ系の減薬について説明していきますが、この問題の複雑なところは、ベンゾ系ですら「止めない方が良いケース」があることです。減らすのか、替えるのか、続けるのか。主治医としっかり話して判断することが必須。ですから、本稿を読んで「今夜から飲むのを止めよう」なんてことは禁物です。

 この大前提を踏まえて、睡眠薬との新しい付き合い方を考えてみてください。

認知症リスクを押し上げる

 まず、ベンゾ系の副作用について、詳しく説明しましょう。

年額プランがおトク!月あたり900円で全記事読み放題

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

オススメ!

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

18,000円一括払い・1年更新

1,500円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2026年11月号

genre : ライフ ライフスタイル 医療 ヘルス