国語辞典編纂者の飯間浩明さんが“日本語のフシギ”を解き明かしていくコラムです。
【は】「発出」なる役所語 20世紀末から一般的に
コロナ危機は2021年も続くようです。1月7日、1都3県を対象として2回目の緊急事態宣言が出され、さらに他の地域にも拡大されました。
政府や自治体は「緊急事態宣言を発出」と繰り返しました。この「発出」とは何かということが、しばしば話題に上るようになりました。
これが役所語であることは推測できます。ただ、昔はあまり使われず、私の携わる『三省堂国語辞典』(三国(さんこく))の古い版にも「発出」はありませんでした。
『広辞苑』はどうだったか。一応、1955年の初版から出ています。
〈発出 発し出すこと。あらわすこと〉
これだけでは使い方が分かりません。「発し出す」って何だろう。あまり使われないことばだったため、不親切な説明になったのでしょうか。
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source : 文藝春秋 2021年3月号