星野仙一、住田正二、真屋順子、山本健一、ポール・ボキューズ

蓋棺録

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 元楽天監督の星野仙一(ほしのせんいち)は投手時代、闘志をむき出しにして「燃える男」といわれ、監督になってからも、強気の采配で「闘将」と呼ばれた。

 2013(平成25)年の日本シリーズは、宮城県の球場での第7戦までもつれこむ。巨人を相手に楽天が8回までに3点リードしてから、9回、田中将大をマウンドに送り込んだ。復興途上の東北を激励する演出だった。

「被災地の皆さんに勇気を与えた選手たちを褒めてやってください」。星野が観客に向かって呼びかけると、うねりのような歓声が起こった。

 1947(昭和22)年、岡山県の福田町(現・倉敷市)に生まれる。父の仙蔵は飛行機工場の技術者で、部下に厳しいが人情のある「工長」だった。しかし、星野が生まれる3か月前に死去し、母が工場の寮母として働きながら3人の子供を育てた。

 暴れん坊だったが野球がうまく、倉敷商業高校に入り投手として活躍。明治大学に入学して、田淵幸一を擁する法政大や荒川尭がいた早大などと激闘をくりひろげる。

 69年、水原茂監督の中日に、ドラフト第1位で指名されて入団、74年には最多セーブと沢村賞を獲得した。81年からは投手コーチ補佐を兼任し、巨人戦では長嶋茂雄や王貞治に真っ向から勝負をいどんで球場を沸かせた。

 82年までの14年で通算146勝121敗34セーブ、防御率3.60。翌年、NHKテレビの解説者となり、85年から同テレビ『サンデースポーツスペシャル』の初代キャスターを務めたが、すぐに球場が恋しくなって、「もうカビが生えていますよ」と笑った。

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source : 文藝春秋 2018年03月号

genre : エンタメ 芸能