器が中身を決める

新世界地政学 第29回

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 政府の外交・安保政策に関する戦略司令塔である日本版NSC(国家安全保障会議)が二〇一四年から内閣官房に設置される。

 それによって首相の権限を強め、各省庁の縦割りと縄張りを克服し、政府一丸となって外交・安保・危機管理に臨もうという狙いである。

 これを上手に使い、日本の外交力を強め、安全保障を高めるにはどうすべきなのか。

 ここ数カ月、ワシントンで米政府高官や高官経験者に日本版NSC設置に対する示唆や助言を聞いた。

 国務次官補経験者の一人は、日本の対米外交が“草食系”になりつつあることへの懸念を口にした。

「自分のところに来る日本人の数が以前に比べて激減している。その半面、中国や韓国からは会いたいという要請がものすごい勢いで寄せられた。日本の外交攻勢は淡泊になりつつある」

「駐米日本大使館勤務の日本の外交官たちのほとんどがワシントンの親日派の同じ人たちのところをグルグル回っている。コンタクト先が広がらない。結局、自分のところにやってくる」

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source : 文藝春秋 2014年1月号

genre : ニュース 社会 政治 国際