月刊「文藝春秋」の名物政治コラム「赤坂太郎」。細川陣営の自滅で都知事選も圧勝。安倍政権のたがが緩み始めた。
「米国がディスアポインテッド(失望した)と言ったことに対して、むしろ我々の方が失望なんですね。米国が同盟関係の日本を、何でこんなに大事にしないのか。あの言葉(失望)は、中国に対する言い訳として言ったにすぎないという具合に理解している」
首相補佐官・衛藤晟一が、動画サイト「ユーチューブ」に投稿した国政報告で、首相・安倍晋三の靖国神社参拝に「失望」を表明した米国に猛反発したことが2月19日、明らかになった。
衛藤は昨年12月26日の参拝前、安倍の密使として訪米し、政府高官らに参拝の真意を説明して回っていた。しかし、米側の反応は予想を上回る厳しいものだった。動画での発言は、衛藤の苛立ちの表れだった。
衛藤は筋金入りの超保守派で、憲法改正や「東京裁判史観」見直しの必要性を唱える点で、安倍と通じ合う。そもそも、安倍が1993年に初当選した直後から付き合いを深め、まだ政治的な軸足が定まっていなかった安倍をタカ派色に染め上げた中心人物とされる。
2人の関係は、安倍が第一次政権当時の2007年、郵政造反組だった衛藤を特例で復党させたことでも明らかだ。当時、自民党党紀委員会は復党について異例の採決を行い、わずか3票差で容認した。郵政造反組のなし崩し的な復党に対して世論の批判が集中し、参院選惨敗の一因となったことは記憶に新しい。
衛藤は動画での発言が明らかになった19日、記者団に対して、「個人としての発言は自由だ。あなた方の指摘の方がおかしい」と開き直り、さらには、最初に報じた毎日新聞の記者に対して、「馬鹿じゃないか。あなたに話すことは何もない」とまで言い放った。
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source : 文藝春秋 2014年4月号