疎開先から東京に戻ったのは2歳の頃。富士山まで見渡せる焼け野原となった千駄ヶ谷のバラック小屋で育つ。父はタップダンサー兼トランぺッター、母はダンサーだった。
「雨の日にはトタン屋根に当たる雨音を聞いて『風の又三郎がお屋根の上でタップダンスしてる!』と言っていたそうです。父が仕事先の米軍キャンプからジャズ盤を勝手にもらってきてましたので(笑)、サッチモの流れる家で育ちました」
初めはタップダンスを習うが、9歳の頃に父の勧めでトランペットの道へ。13歳からキャバレーや米軍キャンプでアマチュアデビュー。プロフェッショナリズムは当時から。
「父と弟は『日野ブラザーズ』として全国のショーで稼いでましたが『俺は芸術家になるから見世物にはならない』と拒否していました(笑)」
国内外の有名アーティストと共演しCMなどでも大活躍。“ヒノテル・ブーム”を巻き起こすも飽き足らず、1975年に永住権を得てNYへ移住。以来、多くのジャズ界のレジェンド達と交流を重ね、自らの音楽を高めてきた。
「20年後に初めて自分の奏法の間違いに気づいて直したり、70代で奏法を変えたり。いまも新しい気づきがあればすぐにメモして、変えることを恐れないですね」
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source : 文藝春秋 2023年8月号