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歌謡曲は日本の宝
11月号でまず読んだのは、五木寛之氏の『昭和歌謡で万葉集を編もう』だ。五木氏と同い年の私は、氏の著書や語りから窺える歌謡曲への深い思い入れと独特の視点に普段から興味があったので、この企画が非常に嬉しい。五木氏と識者の方々が選んだ100曲が発表される2月号が待ち遠しいので、私も選んでみようと思う。
小学校では唱歌、戦時中は軍歌ばかりで、流行歌を歌うと「非国民」と言われた子ども時代、窓を閉めて姉たちとこっそり歌ったのが「湖畔の宿」「純情二重奏」だった。
戦後は「リンゴの唄」にはじまり、ラジオ歌謡や映画の主題歌が次々に街に流れていた。大学入試の日、近くの民家のラジオから聞こえてきた「白い花の咲く頃」や、女子寮で友達と歌った「あざみの歌」「青い山脈」「山小舎の灯」などは同窓会でもよく歌ったものだ。
その後、音楽教師の職を退き、眠れぬ夜にNHKの「ラジオ深夜便」を聴くようになった。午前3時からの「にっぽんの歌こころの歌」は、戦前戦後の懐かしい歌が聴けるコーナーである。うろ覚えの旋律に乗った、情感豊かな詞をしみじみ味わったり、美空ひばりの歌の巧さに感嘆したり、若い頃には気がつかなかった昭和歌謡の魅力に酔う至福のひと時である。
「歌は世につれ世は歌につれ」の言葉通り、昭和歌謡はそのまま昭和史であろう。歌謡曲を作った人々、それを歌い伝えた人々は日本の宝であり誇りである。選曲される皆さまが、隅々にまで光を当ててくださることを信じて来春を待つことにしよう。
(高知県 信吉貴美子)
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source : 文藝春秋 2023年12月号