読者からのお便り 2024年1月号

三人の卓子

ニュース オピニオン

創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。
応募メールアドレス mbunshun@bunshun.co.jp

 “下り坂の日本”への警鐘

 12月号、憂国グループ2040の『緊急提言 日本の危機の本質』を読んで、後期高齢者(86歳)の私は身の置きどころがない。ひもじい思いをした戦後、沸き立った東京オリンピック、酔いしれた右肩上がりの経済成長は、兵どもの夢だったというのか。ジリ貧の日本の現状は、舵取りを誤ったわれわれ世代の責任だというのか。

 政治家は大票田を持つ高齢者に阿(おもね)っている。しかし高齢者を利する政策は、若い世代の重荷となる。年金制度、医療保険制度、介護保険制度は、人口構成が逆ピラミッドでは、その破綻は目に見えている。この構造が、わが国の債務残高をGDP比260%にまで押し上げている。

 高齢者は疾うに終わった大国の夢から目覚め、激変する社会にたじろがず、厳しい時代の到来を覚悟すべきだ。高齢者は躰を鍛え、医療費、介護費を1円でも削減し、若い世代の重荷の軽減に努めよう。若い世代は、諸君が主役の強靭な国家を創るため、叡知を結集して欲しい。政治家は“パンとサーカス”で当面を糊塗することなく、人口減少時代の国家論を練り上げて欲しい。

 かつて「日本の自殺」という論文が本誌を飾ったことがある。佐伯啓思京大名誉教授はこれを読み直し、2023年の本誌(1月号)で下り坂の思想の重要性を説いている。12月号の『日本の危機の本質』は、“下り坂の日本”への強い警鐘である。

(東京都 泉信也)


東條英機の官僚的指導

 12月号『大座談会 昭和陸軍に見る日本型エリート』では、最初に東條英機が取り上げられている。これを読むと、東條は陸相、首相、参謀総長と栄達したものの、その本質は極めて真面目で優秀な官僚だったことが分かる。その反面、同時代の指導者達(ヒトラー、スターリン、チャーチル、ルーズベルト等)と比べると、カリスマ性、政治力、軍事的才能などの面で際立った特色は見出せない。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2024年1月号

genre : ニュース オピニオン