睡眠障害を克服した「鎌田式7カ条」

鎌田 實 医師・作家
ライフ ヘルス

鎌田氏が「睡眠薬依存」になりかけて編み出した「睡眠力」を上げるテクニックとは?(取材・構成 長田昭二・医療ジャーナリスト)

 医師業の傍ら、作家としてベストセラー『がんばらない』など数多くの著作を発表してきた鎌田實氏(75)。様々な健康法を発信する鎌田氏だが数年前、睡眠障害に陥り、睡眠薬を使っていたことがあったという。どうやって睡眠薬に頼る日々から抜け出したのか。鎌田氏が自ら実践している「睡眠力を上げる7カ条」について解説する。

65歳まで「睡眠4時間半」だった

 18歳の頃、つまり医学部の受験生の時から続けてきた「睡眠のパターン」を、65歳の時に変えたんです。

 以前は23時頃に寝て、午前4時半に起きる生活でした。そして、目を覚ましてから7時半までの3時間を様々な“作業”に充てていたのです。受験生時代はもちろん受験勉強に充てていましたが、医学部に入ってからは医学の勉強、医者になってからは勉強だけでなく、詩を読んだり音楽を聴いたりという「文化を吸収する時間」としても活用してきました。

 いま私は毎年約10冊の本を書いていますが、そうしたことができるのは、18歳から65歳までの47年間、朝の3時間に色々なことを吸収できたからだと思っています。

 よく睡眠は1時間半で1サイクル――と言われます。23時に布団に入ると言っても、横になってから入眠するまでには多少の時間がかかるので、当時の実質的な睡眠時間は4時間半程度。つまり睡眠のサイクルを3回転する計算になります。毎朝4時半ころにはレム睡眠といって浅い睡眠になりかかっている。目を覚ましやすくなっているので、私は目覚まし時計を使うことなく、毎朝4時半になると自然に目を覚ますことができていたのです。

「7時間睡眠」に変えてみたら

 47年続けたこのサイクルを変えようと思ったのは、65歳で病院経営を引退したことが背景にあります。病院経営という仕事は、これで色々とストレスが多い。そのストレスから解放されたのだから、体も少し“自然体”にしてみようかな――と考えたのです。

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source : 文藝春秋 2024年4月号

genre : ライフ ヘルス