日本と同じ「消費者サイド」のEUの戦略に学べ!
「グローバルの数字しか出せないというが、日本語で対応した件数なら回答できるはずじゃないか」
今年3月、プラットフォーム(PF)各社へのヒアリングが行われた総務省の有識者検討会。質問をのらりくらりとかわすメタ社幹部に、検討会の委員らはいらだちを隠せなかった。
質問者の念頭にあったのは、近年、SNSで急増している著名人なりすましの投資詐欺広告問題だ。自身の画像が悪用された実業家の前澤友作氏がX上でメタの無策ぶりを批判して一気に問題が注目され、報道も過熱していた。
警察庁によると、SNS型の投資詐欺被害はここ数年、急増している。2023年の被害は2271件、約278億円にのぼり、被害者の4割は、メタが運営するフェイスブックかインスタグラム上の広告を見たのがきっかけで事件に巻き込まれたという。蔓延の背景には、事前審査の緩さに加え、掲載後のチェック体制の脆弱さもあるとされる。メタが日本語を理解できるコンテンツモデレーターを置いていないのではないかという疑いも指摘されていた。コンテンツモデレーションとは、違法情報やポリシー違反の情報を削除したり、利用者のアカウントを停止したりする管理のことだ。
「広告審査は広告によって大きな収益を上げているPFの責務だ」。検討会の委員の1人、弁護士の森亮二氏はこう語る。
だが、メタの日本での対応状況を確認しようと意気込んだこの日のヒアリングは「全くの肩透かしに終わった」(森氏)。
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