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しかしそのために受け入れ企業は、わざわざウィークリーマンションなどを借りる必要が出てくる。実習生がひと部屋2~3人で生活するための「寮」は確保していても、コロナ隔離用の個室は用意していないからだ。
「ところがコロナ禍で不況ということもあり、その費用を負担したくないという企業が多い。そこで私たち実習生入国アテンド業者の中には“レジトラ代は安くしますから”と言って組合に営業をかけるところも出てきている。価格競争が起きているんです」(Yさん)
そうした業者の中には、個室ではなく数名をひとつの部屋に住まわせる、いわゆるタコ部屋をあてがうところもあるのだという。そこに押し込めて14日間を過ごさせるのだ。
「その部屋がもしクラスターとなったらどうするのか。そういうリスクを考えずに、コロナ禍すら営業ツールにしている業者もいる。厚生労働省は、日本入国後の14日間について『個室で過ごし、バス、トイレの個別管理ができる施設で滞在すること』と要請していますが、完全に違反です」(Yさん)
実習生の入国後講習も金ヅルに
ともかくも日本で生活をはじめた実習生はまず「着地後教育」という授業を受ける義務がある。日本語や生活マナーを中心に、1か月かけて160時間の講習を行うことが定められているのだ。「入国後講習」とも呼ばれ、これもYさんのような入国アテンド業者が請け負うことが多い。レジトラ中はオンラインで行われることになっている。
その一環として「法的保護講習」というものがある。これは行政書士や社労士など専門の講師が、入管法や労働関係の法律を実習生に講義するのだが、やはり料金が伴う。負担はこれも実習生受け入れ企業で、通常は3万円ほどだ。