医療費が高額で、予約も取りずらい…アメリカの医療事情

――アメリカの医療事情はどうでしょう?

Yuna 日本でもよくニュースになっていますけど、アメリカは医療費が本当に高くて……。医療費を安くするためには保険に入らないといけないのですが、その保険も高いから、私は数年くらい保険に入っていない時期がありました。

 ちなみに、アメリカでは保険に入っていないと確定申告時に約800ドル(約12万円)の罰金が科されます。それでも高額な保険料を払うよりは安いから、あえて罰金を選ぶ人も少なくなかったですね。

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――アメリカでは、医療費の高さから病院に行くのをためらう人が多いのですね。

Yuna 理由はそれだけではありません。病院の予約を取るのも、ものすごく大変なんです。体調が悪くて問い合わせても、最短で1ヶ月待ち……なんてこともよくあります。

 やっと診てもらえても「この症状はうちの科では診察できないから」と言われて、他の病院を案内される。そうすると、また予約を取り直さなきゃいけない。

 ちょっとした風邪や怪我ならその間に自然治癒してしまうから、よっぽどひどい症状じゃない限りは、「病院に行こう」とすら思わないですね。

アメリカでは、緊急避妊薬もドラッグストアの店頭に並んでいる

――骨折など、緊急性の高い怪我や病気のときはどうしているのでしょうか。

Yuna 私自身が大きな怪我や病気をしたことがないので、人づてに聞いた話になってしまうのですが、ちょっとした体調不良や怪我で診察の予約をするときよりは、早く診てくれるそうです。

 それでも、問い合わせをしてから実際に受診するまでは、2、3日から1週間はかかる印象があります。

 アメリカは医療費が高いだけでなく、そもそも予約が取れないから、できるだけ病院に頼らずに自力でなんとかしよう、と考える人が多いんです。

 

――Yunaさんがアメリカに住んでいたとき、病院に行ったことは?

Yuna 新型コロナウイルスに罹ったときには、病院へ行きました。でも、病院の中には入らず“ドライブスルー”で検査して、「コロナ陽性だから自宅で安静にしてください」と言われて終了です。薬も近所のドラッグストアで買い揃えました。

 アメリカのドラッグストアには、病院で処方される薬と同じくらい強力なものが多いんです。風邪薬や解熱剤はもちろん、緊急避妊薬も店頭に並んでいますから。日本のように気軽に病院には行けないけど、「自分でなんとかしよう」と思ったときの選択肢は、アメリカのほうが多いなと思います。

撮影=細田忠/文藝春秋

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