9月特大号の目玉はいろいろありますが、そのひとつは「日枝久フジサンケイグループ前代表 独占告白10時間」です。
事件を外から見るのと内から見るのでは大違い。「異常な権力構造」とまで言われた批判への反論も含め、驚くべき内幕を語っていただいています。
中居事件後、メディアのインタビューを受けたのは初めてです。
あらゆる申し込みを断り続けていたのに、今回取材に応じたのは、長年交流のあるノンフィクション作家・森功さん(聞き手・構成)の数カ月にわたる説得があってのことでした。事件発覚後、森さんはたびたび連絡を取り、話を聞いていました。今回のタイトルを「独占告白10時間」としたのは、この時のやり取りも含めてのこと。一連のインタビューの締めくくりとして7月半ば、文藝春秋本社に来てもらい、話を聞きました。

弊社の応接室に現れた日枝久氏は少し弱った様子でしたが、森さんの姿を認めるとニコリ。その笑った口にきれいな歯がズラリと並んでいます。「今日はわざわざお越しいただき、ありがとうございます」と私が名刺を渡すと、
「先月まで亀渕の連載をやっていたでしょう」
あいさつも早々に、元ニッポン放送社長・亀渕昭信氏の「カメ社長の買収防衛日記」(6~8月号掲載)のことをさらりと指摘。亀渕氏は手記の中で、ライブドア事件当時の日枝氏に対して厳しい批判をしていましたからヒヤリとしました。日枝氏はにこやかな笑顔でしたが、「読んでますよ」というこちらへの合図でしょう。さすが目配りは利いています。
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