年を取ってみた!

第23回

山田 詠美 作家

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エンタメ 読書

 夫が、某ミステリー作家の作品に突然熱中し始めて、その方の本を片っぱしから読んでいるのである。それをながめていた私は、ちょっとマウント取ってやるかいくらいの気持で得意気に言ったのだった。

「私なんか、若い頃にとっくに読破したもんね。『〇〇××』なんて読んだ? え? まだ読んでないのー? 停年間際の老刑事がやるせなくって、いいんだよねー」

 すると、夫は、まじまじと私の顔を見た後、ぽつりとこう言ったのである。

「停年間際の老刑事ってさ、あなたより年下でしょ?」

 ええ? そんな! NOOOOO!!

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source : 文藝春秋 2026年9月号

genre : エンタメ 読書