今、これを書いている段階では、二月八日投開票だった衆議院選挙が終わったばかり。蓋を開けてみれば、自民党の圧勝だった……となった訳だが、私が問題視しているのは、その選挙ではなく、一月二十五日の福井県知事選。そこで初当選した石田嵩人氏のSNSでの発言なのである。いわく、
「私は移民政策には反対です。理由はまず日本は単一民族国家です」
……あ、あ、あ、ああ、またこの言説。これまで何度も政治家によってくり返され、そして、そのたびに批判されて来た「御意見」。ねえ、石田くん、それ、間違ってるよ。
偉くなった人は、もっともらしく単一民族云々と語るが、私は、それを耳にするたびに、友人知人も含めたさまざまなルーツの日本国籍を持つ人々が、どれほど脅かされて来たかについて考える。
私は、かつて米国軍人と結婚して、米軍基地の側に長いこと住んでいたから、日本国籍を持っているのに日本人扱いされず、不愉快な思いをする人々に何度となく会って来た。そうした場での差別と偏見は、大人であろうと幼い子供であろうと、容赦なくぶつけられる。
石田氏は、当選翌日、早々にこう訂正している。
「移民や外国人労働者を無秩序に受け入れてしまうと問題が生じてしまうという文脈で申し上げた。単一民族という言葉自体がひとり歩きしている。(中略)完全単一民族ではないので、そこはしっかりと訂正させていただきたい」
……えっと、ひとり歩きさせてるのは御自分では? そしてさ、私、最近思うのよ。このところ、文章以外のテリトリーで、やたら「文脈」と使うよね。事細かな事例の説明をする手間をはぶきたい時に、ざっくり「文脈」とやる。私も、たま〜に使ったりしちゃうのだが、その時、明らかに「ちぇっ、面倒臭いなー、さぼっちゃえ」という気分が働きかけているのを否定出来ない。それに気付くと、いかんなー、と思う。物を書く人間は、書かれたものだけに「文脈」という用語を使うべし、と反省しきりなのである。
「日本人」の定義とは?
それにしても、石田氏の「完全単一民族」という言葉はすごい。圧倒的な上級人間感が漂う。
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