1969(昭和44)年の第一作公開から、四半世紀以上にわたり『男はつらいよ』で、渥美清と共演してきた俳優の倍賞千恵子(ばいしょうちえこ)さん(1941―)が、銀幕の内側の「お兄ちゃん」を語る。
「じゃあね」
と握手をして、代官山のレストラン「小川軒」で渥美ちゃんと別れたのは1996(平成8)年6月のことでした。『寅さん』のクランクイン前に、恒例のメインスタッフの食事会のときです。
その後、8月に渥美ちゃんの容態は急変。結局、その時が渥美ちゃんとの最後になってしまい、クランクインするはずだった第49作は幻に終わりました。
あれから10年。渥美ちゃんが今も生きているような感覚はまだ消えません。
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source : 文藝春秋 2006年2月号

