奥田碩、岸惠子、板東英二、朱鎔基、寿美花代

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偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム

★奥田碩

 元トヨタ自動車会長の奥田碩(おくだひろし)は28年ぶりに豊田家以外から社長となり、日本経団連の会長もつとめた。

奥田碩 Ⓒ時事通信社

 1995(平成7)年8月、トヨタ自動車社長に就任する。トヨタには珍しい型破りの人物といわれ、内外の注目が集まった。記者会見では「中国を中心にアジア戦略」「国内シェア40%」などを掲げる。同時にトヨタが「乾いた雑巾でもさらに絞る」といわれることを念頭に「今後は雑巾でなく知恵を絞る」と語って記者たちを笑わせた。

 32(昭和7)年、三重県津市に生まれる。祖父の喜一郎は相場師として知られ、奥田証券の創設者。松阪北高校(現・松阪工業高校)を卒業、一橋大学商学部に入ってからは柔道に勤しむ。身長が180センチあり、得意技が豪快な内股だった。

 一橋大を卒業する直前、日本陶器(現・ノリタケ)を受けていたが、トヨタ自動車販売(現・トヨタ自動車)を選んだ。奥田は財務畑を歩き、72年にマニラに赴任する。現地のデルタ・モーターによる部品の代金未払いを解決するためだった。上司との確執による左遷と言われたが、本人はマルコス大統領と関係をもつなど現地の仕事を「楽しんでいた」という。

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source : 文藝春秋 2026年10月号

genre : ニュース 社会