日本の政治状況と朝鮮半島での戦争

日本再生 第79回

立花 隆 ジャーナリスト
ライフ 政治 国際 韓国・北朝鮮

 年をとると、たいていのことには驚かなくなる。衆院選挙が終った。自公政権が大勝し、安倍政権が当分の間続くことになった。そのこと自体はかなり前から予測されていたことなので、あまり驚かなかった。そもそも今回の突然の解散総選挙は安倍政権の側が勝てる見込みがあると踏んで自ら行ったことであって、やりたくないのに政治状況に追い込まれてやむをえず行った「追い込まれ解散」ではなかった。

 状況に追い込まれて、準備不足のまま衆院選を戦い、大惨敗して、いまだに収拾がつかない状態にあるのは野党の側である。すでに選挙後何日も経つというのに、野党の側はこの選挙結果(大敗北)をまともに総括しきれていないし、今後、政党としてどう敗戦処理(人事と活動方針の建て直し)をしていくのかも決まっていないようだ。当分の間、野党の側が与党に拮抗するだけの政治パワーを身につけるのは難しいのではないか。とくに希望の党の小池代表は、これからますます都知事と国政政党の代表の二足の草鞋をはいたままでいることの難しさに直面して、そう遠くない時期に片方をぬぐことになると思う。

 思い返すと、選挙の開票がはじまったとき(10月22日20時)、すぐにテレビ各局の事前予測調査と当日の投票者に対する出口調査の結果発表がなされ、与党大勝はアッという間に既定の事実として固まった。

 最近、事前予測調査の精度が向上したため、終盤の情勢予測と実際の選挙結果の差がぐっと縮まった。出口調査とリアルの結果との差異も縮まっている。

 開票がはじまって間もなく、出口調査にもとづく第一回の当選予測が、各局ではじまった。その第一報は、選挙戦の最終盤予測を裏付けるもので、与党圧勝を予測するものだった。この日、フジテレビでは、前回アッサン・エンダムに惜敗した村田諒太のミドル級タイトルマッチ再戦の中継が開始されていたので、テレビのチャネルを切換えながら、開票速報と交互に見ていた。

 しかし、選挙のほうは大勢は予測通りということが開票後すぐにわかってしまったので、徐々にボクシングを見る時間のほうが長くなっていった。そしてついに第7ラウンドが終ったところで、エンダム側の試合放棄による劇的な村田のTKO勝ちとなった。

 そのあたりで、一時は開票速報にチャネルを戻してみたが、ボクシングの試合と比較すると、ハラハラドキドキ感がまったく欠けていて、見るのが途中でイヤになった。あとは次の日の朝刊で見ることにして途中で寝てしまった。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2017年12月号

genre : ライフ 政治 国際 韓国・北朝鮮