中独米の包囲網に日本の技術は勝てるのか
クルマという概念は今とはまるで違うものになるかもしれない――。2年に一度の「東京モーターショー」(10月27日〜11月5日)は、こんな触れ込みで始まった。各社はコンセプトカーやAIとクルマが融合した技術、斬新なデザイン思想などを競って展示したが、今回の主役は電気自動車(EV)だった。
ホンダのメインステージには、EVのコンセプトモデル3台が並んだ。中央には今回が初公開となるスポーツカーのEV。その脇を固めるように、今年1月、米ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市で公開された「Honda NeuV」と、9月のフランクフルトモーターショーでお披露目されたシティーコミューターの「Urban EV」が置かれた。
「Honda NeuV」は、ソフトバンクと提携して開発した運転手の感情を読み取るAIが搭載されていることが特徴。「Urban EV」は欧州市場に投入後、2020年に国内でも発売される予定だ。
ホンダの八郷隆弘社長は多くのメディアにこう語りかけた。「ホンダは『役立つ喜び』と『操る喜び』を意識して商品を出してきたが、EVの時代になっても変わらない」。
同社は、2030年までに総販売台数のうち3分の2を電動車にする計画をすでに打ち出している。ここで言う電動車とは、EVの他、エンジンと電気モーター併用のハイブリッド車(HV)、EVモードでの走行が可能なプラグインハイブリッド車(PHV)、水素を燃料として走行中に二酸化炭素を出さない燃料電池車(FCV)のことだ。
EVで出遅れ気味と指摘される日本勢はEVシフトを懸命に演出。トヨタ自動車はEVの航続距離が飛躍的に伸び、充電時間も短い高性能な全固体電池を2020年代前半までに実用化する方針を示した。同社のディディエ・ルロワ副社長は「EVのゲームチェンジャーになる技術」と胸を張った。スズキは小型四輪駆動、ダイハツは商用車のEVコンセプトカーをそれぞれ公表した。
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source : 文藝春秋 2017年12月号