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「文藝春秋 講座」第1回「保阪正康さんと語ろう!」が開かれました

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 11月11日、文藝春秋本社では、昭和史研究家の保阪正康さんを講師として、「文藝春秋 講座」の第1回「保阪正康さんと語ろう! 半藤一利さんの昭和史を読み解く方法」を開催しました。


「講座」は、月刊誌「文藝春秋」の筆者と読者が直接交流する場として、少人数のゼミ形式で1テーマを議論し合う新企画です。14時から始まった講座には、20代から70代までの幅広い世代の読者が集まり、保阪氏と共に「昭和史の語り部」として知られる半藤さんについて議論を交わしました。
 

 

 第一部の保阪氏の講演では、ホワイトボードを使って「半藤史観」を図解。とりわけ重要だと指摘したのが、「3本の柱」です。「資料や証言で当事者の体験を確認すること」、「庶民の目線に立つこと」、「誰にでも分かりやすい表現で書くこと」の三つを、半藤さんが常に意識していたと明かしました。

 

 第二部の意見交換会では、参加者から数多くの質問が寄せられました。半藤さんに関する質問だけではなく、「保阪さんはかつて、瀬島龍三にインタビューした際、嘘をつかれたことを見抜けたと書いていますが、それはなぜでしょうか?」、「保阪さんが期待されている若手研究者は?」、「記録が少ない過去に向き合う時、どのように史料等を発掘されるのでしょうか?」など数多くの質問に対して、保阪氏は予定時間をオーバーしても、一つひとつ丁寧に答えました。

 

 休憩中には、著書を購入した参加者の方に対して、即席のサイン会も開催しました。その後に行われた懇親会では、保阪氏は缶ビールを片手に、語り尽くせなかった半藤さんのエピソードを紹介。参加者からも意見交換会で尋ね切れなかった数多くの質問が寄せられたほか、参加者が自らまとめた憲兵隊の日記を保阪さんがじっくりと眺める一幕もありました。

 

 参加者の方には手土産として、大正12年(1923年)1月に刊行された「文藝春秋」創刊号の冊子と、画家の村上裕二氏が描き、「文藝春秋」に掲載された表紙絵を用いたカレンダーも配布されました。

 終了後に募ったアンケートでは、次のような声が寄せられています。

・コンテンツのクオリティが高く、ここでしか聞けない内容が聞けて嬉しいです(20代女性)。
・どのお話も興味深く拝聴しましたが、半藤さんの根底に「東京大空襲」の体験が、というお話は全く戦  争体験のない世代だけに、強くつきささりました(60代女性)。
・昭和史について、とても勉強になるお話でした。本だけではない“心”の部分も伝わってきて、身近にお会いできてよかったですし、貴重な体験でした。また機会があれば参加したいです(50代女性)。
・貴誌との距離感が全く違ったものになりました(50代男性)。

 文藝春秋では、来年以降も、保阪氏をはじめ数名の方を講師とする「講座」を開催していく予定です。順次、「文藝春秋 電子版」などでご案内をしていきます。

source : 文藝春秋

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