令和ならば六年目になる今年は元日早々から、日本人にとっては悪いニュースで始まった。北陸を襲った大型地震とそれに関連していなければ起らなかったにちがいない、羽田空港での事故と。日本の外でも、今のところは局地戦争だがいつでも大戦争につながりかねない状況は、解決に向うどころか世界中に飛び火する一方。二〇二四年は世界中が、お先まっ暗で始まったようである。
ところが、その元日から一週間も過ぎないというのにヨーロッパでは、日本での地震関連の報道は完全に姿を消した。日本人はまじめだしカネもあるのだから自分たちでどうにかするだろう、と思われたからだが、日本への関心そのものが極度に低下していたことにも要因がある。
そう思っていたときに読んだのが、『Voice』二月号に載っていた、アメリカ人の学者へのインタビュー記事。知日派の政治学者としても知られるジェラルド・カーティスに、日本側の記者が質問する。
「〔世界中を巻きこんでいる〕危機のなか、日本が国際的に果たせる役割はありますか」
教授は答える。
「ありません。これまでお話ししてきた問題に対して、日本が大きな役割を果たせるとは思えません」
まったく、ミもフタもない正直で率直な回答には笑ってしまったが、この人はいかに知日派の学者でも米国人である。
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source : 文藝春秋 2024年3月号