ゆかりの品々から日本がわかる 皇室の宝物

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国宝から皇室を彩る美術品まで、約6,100件もの貴重な作品を収める皇居三の丸尚蔵館。歴史学者の磯田道史が新しく生まれ変わった同館を訪れ、雅な美の数々に触れた。

横山大観《日出処日本》(展示終了)。富士山を数多く描いた大観のなかでも最大級の作品。人が前に立つとその大きさがよくわかる

伊藤若冲《動植綵絵》30幅のうちの1幅「芙蓉双鶏図」(第4期の5月21日〜6月23日に展示)

リニューアルした館内で卓越した技と美を愉しむ

 皇居東御苑内に佇む「三の丸尚蔵館」。1989年の昭和天皇の崩御に伴い、皇室に代々継承されてきた美術品が国に寄贈され、その保存・公開を目的として93年に開館した。以後約30年、伊藤若冲の《動植綵絵》などの国宝から慶事を祝う献上品まで、国を代表する作品の魅力を発信している。

 展示室や収蔵庫の拡充を図り、5年前から建替工事が進んでいる。さらに昨年運営が独立行政法人に移管されたことを機に、名称を「皇居三の丸尚蔵館」と変え新たなスタートを切った。

 現在、新施設の一部開館を記念した企画展が開催中だ。今回歴史学者の磯田道史がリニューアルした尚蔵館を訪ね、明治・大正・昭和期の天皇が親しんだ工芸品や宮殿調度を島谷弘幸館長とともに鑑賞。皇室ゆかりの品が持つ、卓越した技と美を存分に愉しんだ。

海野勝珉《蘭陵王置物》。「明治時代の彫金技術の高さがうかがえる作品ですね」(磯田)(展示終了)

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source : 文藝春秋 2024年5月号

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