数学者の本音をのぞく
数学者の書くエッセイには面白いものが多い(ような気がする)。なぜ面白いかといえば、やはり、どことなく近づきがたい数学者の本音がわかるからだろう。
この本はおおまかに3部構成になっている。第1部は「数学者のなり方」。
どういう人が数学者になって立派な研究業績を残すのか。テストの成績が良くても、研究者には向いていない人がいるという。でも、一流の数学者の多くは、やはり学校のテストの成績は良かったらしい。
著者は、アメリカの大学で博士号を取得しているため、日本と海外の大学の違いも冷静に分析している。
「世界選抜チーム」のアメリカは、大学ビジネスが成功しており、世界中から才能のある数学者や数学者の卵を集めてしまう。「日本選抜チーム」は、低予算な上に、英語ではなく、日本語で数学教育をしなくてはいけないため、海外から人も来ず、なかなか大変だ。
第2部は「大学の中で」。
客観的だと思われがちな数学の試験の採点が、意外に難しく、かなり主観的に点数をつけざるを得ないというのが興味深い。
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source : 文藝春秋 2024年9月号