加齢とともに、痛みだけでなく、凝りなど不定愁訴を引き起こすのが肩です。
肩の関節は体幹において大事な役割を果たしていますが、他の関節と比べて、その造りが極めて不安定なのが特徴です。
形状は、「ボール&ソケット・ジョイント」と呼ばれ、丸いボールをお椀が包むような構造になっています。たとえば、同じ構造の股関節は、大腿骨の最上部にあるボール部分を、骨盤側の「寛骨臼(かんこつきゅう)」というお椀部分がしっかり包み込む形状で、立てば上から重心もかかって極めて安定する造りです。

それに比べて肩は、上腕骨のボール部分と、肩甲骨側の「関節窩」というお椀部分が接してはいますが、この2つの骨を直接つないでいる骨は鎖骨だけ。しかも上からの荷重をほとんど受けていない。周囲の軟骨や靭帯や筋肉の力を借りて、ようやく「関節」としての機能を維持できる構造なのです。そのため、骨の位置がズレたりすることで、痛みや動きが悪いなどの問題が生じます。
ポイントは「胸郭」
ためしに肩甲骨に意識を集中しながら「万歳!」をしてみてください。思っていた以上に肩甲骨が動くことに気付くと思います。
生まれてきたときは、この複雑な構造が見事に成立した状態ですが、年を取るとその力関係が崩れます。「手を上げられない」「何もしなくても肩が痛む」などの症状、さらには「肩こりのだるさ」など不定愁訴も、多くがこのメカニズムで発生しているのです。
これらを考慮したうえで、肩のアンチエイジングを考えると、「胸郭」がポイントになります。
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