昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

 監護者わいせつ罪の法定刑は6カ月以上10年以下の懲役と強制わいせつ罪と同じだが、高橋弁護士は「被害者と加害者の関係性が最も深いという意味では最も重い罪です」という。

絵里さんの母親のもとに送られてきた謝罪文。最後には「反省して生きていく」と記されている

「強制わいせつ罪では、暴行や脅迫があったか、もしくは被害者が心神喪失などの抵抗できない状態であったという立証が必要です。ただ、親子関係や養子縁組関係などでは、暴行や脅迫がないケースの方が圧倒的に多い。親に依存せざるを得ない立場であるため、親に抗うことが難しく『しょうがないので受け入れた』という場合では、強制わいせつ罪に問うのは難しくなってしまう。そのことへの問題意識があって制定されたのが監護者わいせつ罪です。村上受刑囚の場合も、まさにその問題意識が当てはまるケースと言えます。

 ポイントは、殴ったり恫喝して無理やりわいせつ行為に及んだわけではなく、一見すると合意があるようにみえる状態でも罪になるところ。親子はもちろん、養子縁組や事実婚状態であったとしても監護者であることが認められれば、監護者わいせつ罪となります」

2011年に3人でとったプリクラ。よく3人で出かけていたという

「私が飛び降りたらみんな焦るんかな」

 裁判が終わってもなかなか日常を取り戻せずにいることについて、母親が苦悩を語る。

「突然、絵里が『私が飛び降りたらみんな焦るんかな』と言ったりするんです。私にとっては大事な一人娘です。私に心配をかけまいと気丈にふるまっていてくれていますが、この子に何かあったらどうしようという不安はいつまでたっても消えません」

 村上は、絵里さんに対する監護者わいせつ罪の裁判中に、別の児童に対する児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反でも追起訴されている。それは当時15歳の少女に対して行った卑劣な犯行だった。(#4へつづく。#4は近日公開)

この記事の写真(10枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー
z