◆魔女っこの不文律を破る「変わり種」部門
女児向けアニメでは「変身と言えばコンパクト、攻撃に使うのはステッキと、アイテムの役割は決まっていることが多いんです」。しかし中にはそんな不文律をあえて破る設定のアイテムもあるようだ。
「私はアイテムはその設定ごと愛でるので、そういった珍しいストーリーがついているとときめくんです。ここではそんな変わり種アイテムをご紹介します」
第5位 ひみつのコンパクト(1992年放送『ママは小学4年生』)
ある嵐の夜、小学4年生の水木なつみのもとに赤ちゃんとコンパクトが突然現れる。コンパクトから聞こえてきた声の主は15年後の自分であり、赤ちゃんは自分が産んだ娘だという。なつみは赤ちゃんに「みらい」と名付け、未来に帰れる日まで育てることを決心する。
「ひみつのコンパクト」はなつみが未来の自分と通信するためのアイテム。みらいが泣き出した時や、危険が迫った時に警報がなる。さらに鏡からは星型の光が飛び出し、この光を浴びた物体の時間を止めることもできる。
「コンパクトというと変身に使われることが多いですが、この『ひみつのコンパクト』は未来との通信アイテム。だからギミックもボタン式ではなく、声に反応するという仕組み。設定に忠実に作られているんです」
第4位 PROPLICAキューティムーンロッド(1993年放送『美少女戦士セーラームーンR』)
泣き虫でおっちょこちょいの中学2年生の月野うさぎはある日、言葉を操る不思議な黒猫・ルナと出会い、セーラームーンとして仲間と共に悪の組織と戦うことになる。超人気アニメの2シーズン目に、セーラームーンが新しく手に入れたのが、杖型の武器「キューティムーンロッド」だ。先端にくりぬいた大きな赤い石と三日月がトレードマークになっている。
「キューティムーンロッドは、恋人である地場衛とうさぎ、2人の力によって生まれたアイテム。2人の力で自然発生的に生まれたアイテムは、他の作品でもあまりないんですよ。敵に操られたタキシード仮面(※衛が変身した姿)がこのロッドでうさぎを攻撃した時、うさぎが『2人の愛の結晶で攻撃するなんて』といったセリフを言うんです。切なさが溢れていて、お気に入りのシーンです」