★芥川賞は井戸川射子さん「この世の喜びよ」、佐藤厚志さん「荒地の家族」の同時受賞。選考委員の川上弘美さんは前者を「ただただ読書の快楽が降ってくる」、吉田修一さんは後者を「読後、胸に熱いものが込み上げてきた」と評します。描く世界は対照的ですが、日本文学の底力に感銘を受けました。
★「防衛費大論争」では財源を巡る中西輝政さんの言葉が胸に刺さりました。「今を生きる私達が『国を守るんだ』という気概をもって負担すべきなのです。国民の覚悟こそが最大の抑止力であり、それを内外に示さなければなりません」。
★河合香織さんの連載「老化は治療できるか」が始まります。人は果たして何歳まで生きることができるのか――最新研究の現在地に迫ります。
★2月1日は石原慎太郎さんの一周忌。後を追うように亡くなった典子夫人との「愛の俳句集」では四男・延啓さんに解説をお願いしました。
★北村滋さんの「外事警察秘録」は特別企画のためお休みです。
source : 文藝春秋 2023年3月号