12月号の右と左、そして真ん中とは……雑誌の文化を電子版でも楽しむための方法

vol.76

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「健五さんは、毎号『左が大事』と言っていたらしいですよ」

 11月号掲載「『越山会の女王』削られた5枚」の取材で、社のOBと会ってきたデスクがそう伝えてきました。

 健五さんとは、「淋しき越山会の女王」(1974年11月号)掲載時の編集長・田中健五さん。「左」というのは目次の左端に置かれる記事のことです。田中さんは、雑誌がよく売れるためには、「左の記事が大事」と意識していたのでしょう。

 編集者は毎号、目次の右と左にどんな記事を置くかに頭を悩ませています。

 12月号の目次をご覧ください。右には、自民党の変質を深掘りした「緊急特集・石破首相の煉獄 自民党崩壊」、左には第一線の医学研究者がわかりやすく解説する「5つの臓器のアンチエイジング」があります。

 

 たいてい「右」には政治や経済、あるいは事件などの時事ネタ、「左」には芸能や医療、文化などの柔らかめの記事が来ます。この2つがその号のいわば飛車角、目玉記事です。

 これに加えて「真ん中」というのもあります。今号の「真ん中」は「スペシャル特集・あなたに見てほしい映画」。俳優の宮澤エマさん、國村隼さん、そして、各界のシネフィル(映画通)の方々がジャンル別ベスト映画を紹介しています。

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source : 文藝春秋 電子版オリジナル

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