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「担任は私達への連絡も忘れていました」

 しかし、7月には、菜摘さんとAとの関係について注意をするように、菜摘さんの保護者から担任に伝えていた。10月ごろから菜摘さんは「学校へ行きたくない」と言い出した。

「菜摘は今でも、学校は基本的には好きです。『行きたくない』と言ったのは初めてでした。そのとき、『学校は好きか嫌いか』と聞くと、『好き。勉強頑張りたい、友達に会いたい』と言いました。じゃあ、好きな学校にどうしたら行けるか、ということで娘と話し合いました。先生にもAのことは伝えてあるし、困ったら先生に言ったら助けてくれる。行きたくないなら休んでもいい。頑張っていきたいなら応援する。やり返してもいい。守ったる。と言うと、娘は『頑張る。行く。ちゃんと嫌だって言えるもん』と言って、学校に通い続けました。しかし、見過ごせなくなったのは、2年生の遠足の帰りでした」

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 大阪市教委に提出した「児童事故報告書」(2020年1月14日付)や菜摘さんの証言によると、2019年5月以降は、学校としても、菜摘さんのいじめ被害を確認している。5月14日、遠足後の下校中に、菜摘さんが加害児童Aに帽子を隠された。5月22日は、体育の後の着替え中に、菜摘さんがAに叩かれた。

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「遠足から学校へ戻ったときに、Aが菜摘の帽子を奪ってどこかへやってしまった。翌日には、学校の横にある公園の生垣の中で見つかりました。

 担任は帽子を探しました。ただ、Aが放課後に探す約束をしたものの、無視して帰ろうとしていたと、のちに情報提供された担任メモの中で明らかになっています。そして、担任はこの全般の連絡を管理職にし忘れ、私達への連絡も忘れていました。報告は翌日でした」

「やり返してしまってすみません」「Aはいたずらすぎる性格で」

 学校は、5月21日午後、菜摘さんの保護者とAの保護者を呼び出した。23日には、教頭と担任、学年主任が菜摘さんと面談。その後、A保護者宅へ家庭訪問をした。このときの学校の記録では、「Aの保護者は謝罪した」と記録されているが、違うようだ。

「Aの保護者から、『やり返してしまってすみません』との言葉はありましたが、謝罪などまともにうけていません。なぜ、いろんなところにAの保護者が謝罪したと書かれているのでしょうか。Aの保護者からはふざけた内容の謝罪文が出されました。なんばウォークのメモ用紙で、“Aはいたずらすぎる性格で、帽子をとったらあかん”などと書かれていました。僕たちは怒ってしまって……。のちに、市教育委員会に質問すると指導主事が『加害者やその保護者が謝罪したという一文は話し合いの場を提供しただけで報告書に書ける』と答えてくれました。実際に謝罪したか再発防止の指導をしたかは関係ないというのです」

 10月8日には、菜摘さんの保護者から、「Aから他にも被害を受けている」との連絡があり、担任が家庭訪問。菜摘さんは「木曜日につねられた、いつ、どこかは覚えていない」と発言した。11日には、担任から菜摘さんとAの保護者に連絡した。校長が市教委に一報を入れたのは18日になってからだが、「Aの保護者から学校の対応に苦情が入ったため」(菜摘さんの父親)という。

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