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松井市長も「対応が不適切」 大阪市立小学校でのいじめ対応めぐり弁護士に懲戒請求

被害女子児童の保護者が不信感を募らせている理由とは

2020/09/03

教育長は「おわびも兼ねて私のほうでお会いしたい」と言いながら

 2020年1月22日、教育委員会のいじめ対策委員会は、Aから菜摘さんへのいじめを「いじめ重大事態」として市長に報告することを決めた。しかし、その内容には、菜摘さんの保護者は納得していない。開示された文書によると、スクールロイヤーや臨床心理士が合計で7回、派遣されたことになっているが、「面談されたことがない」と菜摘さんの父親は言う。「面談以外の目的で派遣されているのなら、どんな目的なんでしょうか」とも指摘する。

 また、市長への報告書を入手し、2019年12月23日にケース会議が開かれたことが記録されていたことがわかった。この会議の記録を開示請求したところ、「ケース会議の事実はない」として、記録は「不存在」とされた。不信感を強めている。

 この問題は市会でも取り上げられた。2020年3月6日、松井一郎市長は、教育こども委員会で「教育委員会の対応は非常に不適切な部分もあったのではないか。当該被害を受けているお子さんが、今まさにまだ学校に行けていないということは、非常にじくじたる思いもありますし、まずは学校に行ける環境をつくっていくのが、教育委員会がやるべき責務」と述べた。同時に、「我々教育を担っていく教育委員会の立場として、加害者であると言われるA君にも反省を促す中で、彼の人生も我々はサポートしなければならない」と答えた。

大阪市議会 ©iStock.com

 同18日でも同委員会で市議から「実際にお目にかかってやるんだったらええけども、使いの者が面会に行って、それは横着し過ぎちゃいますか。こういう対応の一つ一つが、教育委員会の不信感になっていると思いませんか」との質疑に、教育長は「きちっとしたものを用意させていただいて、今度は保護者の方とおわびも兼ねて私のほうでお会いしたい」と答弁した。しかし、菜摘さんの父親は「(その後)教育長が会いにきたことはない」と話している。

「すべて時間稼ぎに使われています」

 大阪市では「児童等がその生命等に著しく重大な被害を受けた事案に関する第三者委員会」が設置される場合、その設置根拠は、市の執行機関に関する条例になっている。菜摘さんの両親は、学校や市教委の直轄の調査ではなく、いじめ防止対策推進法に基づいた調査委員会の設置を要望しているが、実現していない。

©iStock.com

「問題は不登校ではありません。松井市長の言葉通り、不登校の解消に向けていくつかの提案を受けましたが、それはすべて時間稼ぎに使われています。こちらとしては、『風評被害の予防として、起きていた被害の内容のある程度と、その措置としてAに別室登校を行っていることを文書にして、他の保護者に配ってください』と2019年11月にお願いしました。しかし、校長は誤解をまねく文書を同意なく配り、案の定、風評被害にあいました。改めて3月以降、風評被害の解消をすることになりましたが、もう半年が経とうとしています。何に関しても時間をかけて、未だ何もできていないという状態です」

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