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自殺者も先進国の中で断トツの1位

 自殺者も、先進国の中で断トツの1位、ずっと3万人(1998~2011年)を超しています(その後はずっと2万人を超しています)。

 なんだか、気がついたら、とっても住みにくい国になっているようです。

 んでもね、人間が作り上げたものだから、人間がなんとかできるって、僕はものすごくシンプルに思っているのです。

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 そのためには、まずは、「ちゃんと」しなきゃいけないものと、「ちゃんと」しなくてもいいものを、分けることだと僕は考えています。で、ちゃんとしなくても大した問題にならないものは、ちゃんとしないし、問題にもしないことが大切なんだと思っているのです。

 なんでこんなことを言い出しているのかといえば、「みんな息苦しいでしょう? 僕も息苦しいし、あなたも息苦しい。この国は知らないうちに、ものすごく息苦しい国になっちゃったんですよ。それも、みんながサボッたからじゃなくて、ガンバッてしまったからね。だからさ、息苦しさを加速する過剰なガンバリをみんなでやめませんか?」ということなのです。

 その昔、「なにがなんでもさ、バカンス、取りましょうよ。日本国民全体がさ、どどーんと1ヵ月ぐらいのバカンス取っても普通だよって思われる国になりましょうよキャンペーン」以来の発言です。

 こっちの運動も地道に続けてるんですけど、この「過剰にちゃんとするのやめましょうキャンペーン」も切実だと思っているのです。

通訳さんに怒られるなんて!

 ま、僕がこういうことを考えるようになったのは、この欄で何度も書いているNHK‐BS1の『COOL JAPAN』の司会を始めたのが大きいのです。

 2006年、フランスで、日本文化の祭典、Japan Expoに番組として参加した時のことです。

 日本文化が好きなフランス人にたくさんゲストとして参加してもらいました。

 彼ら・彼女らと一緒に、日本文化を語っていたのですが、やっぱり、アニメの話なんかで興奮すると早口になります。

 会場には、観客としてのフランス人も大勢いたので、同時通訳ではなく、逐次通訳、つまり、日本語を話して、それがフランス語として会場に流れ、で、また日本語でしゃべる、という流れになりました。

 経験ある人だと分かると思いますが、ちょっとしゃべって、通訳されるのを待ってまたしゃべる、というのは、無茶苦茶ストレスがたまります。早く次を言いたいのに、強制的に待たないといけないからです。

 で、どうなるかというと、だんだん、通訳の時間を待たないで、フランス語が場内に流れている間に、次を話してしまいがちになるのです。常に、フランス語にかぶり気味に話すということです。当然、通訳の人は、いつも急かされることになります。