「眠ることで脳が学習する時間を作らないといけない」睡眠研究のトップランナーから学んだ、上手な睡眠との付き合い方

編集部日記 vol.64

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ライフ サイエンス 医療
上田泰己教授 ©文藝春秋

 連日のオリンピック観戦で寝不足の方が多いのではないでしょうか。

 かく言う私も、柔道各階級を決勝まで見届け、陸上選手のしなやかな筋肉美に惚れ惚れし、ウエイトリフティングで手に汗握り……なんて熱を上げていたらあっという間に寝不足に。狂った体内時計を正さねばと躍起になっている今日この頃です。

 そんな寝不足の方必読の特集「睡眠は最高のアンチエイジングⅡ」が、「文藝春秋」9月号に掲載されています。「カラダは睡眠中に修復される」(西多昌規早大教授)、「世界的睡眠研究者の熟睡法」(上田泰己東大大学院教授)、「睡眠薬は劇的に変わった」(松井健太郎医師)の3本を読めば、睡眠とあらゆる病気との関連性や、睡眠が我々にもたらす効果、睡眠薬との上手な付き合い方など、眠りについて、まるっとおさえることができます。

 私がお話を伺った東京大学大学院医学系研究科の上田泰己教授は、体内時計(概日時計)や、睡眠の研究で世界的な注目を集めている生命科学者。東大医学部を卒業後、27歳という異例の若さで理化学研究所のチームリーダーに抜擢され、「生命科学のプリンス」として脚光を浴びました。

 2016年には「眠気の正体」にカルシウムが深く関わっているとする研究成果を発表し、科学界に大きな衝撃を与えるなど、次々に睡眠の謎を解明し、世界の睡眠研究をリードし続けています。

 イギリスのオックスフォードに暮らす上田教授に、リモートでインタビューを行いました。取材開始は日本時間の16時、イギリスは朝の8時です。早朝からの取材でこちらが恐縮していると、上田教授はにこやかに答えてくれました。

「日本との打ち合わせは、いつもはもう少し早くから始めるんです。今日は、昨晩少し遅くまで予定があったのでこの時間にしました」

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