
バス停に行って、時刻表に10分に1台バスが来ると書いてあったら、待ち時間は平均5分だろうと考えるのが自然です。
しかし、実際にはバスが遅れて、もっと長く待たされることがよくあります。そんなことを気にする人は少ないかもしれませんが、物理学者の私は原因を解明したくなります。
何らかの理由でバスが遅れると、前のバスとの時間間隔は長くなります。間隔が長くなると、それだけたくさんの乗客が待つことになるので、乗り降りに時間がかかり、バスはさらに遅れます。そのため、前のバスとの間隔はどんどん長くなっていきます。
一方、後続のバスは時刻表通りに運行しようとするので、後続のバスとの間隔は逆に短くなります。
そのため、10分に1台といっても、実際の間隔はまちまちです。
このようなときに、予定を決めないでバス停に行くと、長い間隔に入っている確率の方が、短い間隔に入っている確率より大きくなるのは自然です。これで、バスを待っているときに、バスが遅れることが多い理由がわかりました。
この説明は、物理学で使われる「人間原理」の応用です。
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source : 文藝春秋 2025年3月号