創価学会名誉会長の池田大作氏が11月15日に死去していたことがわかった。享年95。創価学会は公明党の支持母体であり、池田氏は政界にも存在感を示してきた。公明党の山口那津男代表は、池田氏の死去を受けて「党の創立者として一貫して見守って頂き、深く感謝する。お示し頂いた『大衆とともに』との立党精神を変わらぬ原点として、永遠に守り抜く」という談話を出した。「文藝春秋」では、創価学会や池田氏についてたびたび報じ、政治と宗教の関係にも光を当ててきた。その一部を紹介する。
池田大作 「勝利」で教団を束ねた
島薗進(宗教学者)
創価学会を一大勢力に押し上げた池田氏だが、一方では、社会との摩擦を生んだ側面もある。宗教学者の島薗氏は、戦後日本における池田氏の“功罪”を指摘している。
統一教会と創価学会
宮崎哲弥(評論家)×島田裕巳(作家・宗教学者)×仲正昌樹(金沢大学法学類教授)×小川寛大(宗教専門誌『宗教問題』編集長)
2022年に発生した安倍晋三元首相の暗殺事件。犯行動機の一部として旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対する私怨が語られたことから、政治と宗教の関係に世間は関心を寄せた。文藝春秋に掲載された座談会記事では、旧統一教会だけでなく創価学会など宗教団体が政界に及ぼしてきた経緯を振り返っている。
創価学会「政教分離」のリアル
小川寛大(宗教専門誌『宗教問題』編集長)
創価学会と公明党の関係は、政教分離の観点から議論を呼んできた。一方、現代日本の宗教問題に詳しい小川氏は、選挙ばかりが熱心に語られている創価学会の現状に問題提起している。
創価学会がヘンだぞ
広野真嗣(ノンフィクション作家)
日本最大の新興宗教とも言われる創価学会だが、近年では信者の高齢化により異変が起きている。ノンフィクション作家の広野氏が、関係者に対する取材で創価学会の実情を明らかにした。記事が掲載された2021年、公明党の推進により「18歳以下への10万円相当の給付」を岸田政権は実行したが、支持母体とされる創価学会内でも疑問の声があがったという。
松本清張「日本の黒い霧」と「昭和史発掘」
藤井康栄(「昭和史発掘」担当編集者・松本清張記念館初代館長)
文藝春秋の連載「松本清張対談」は、錚々たる人物と松本清張の対談が話題を呼んだ。第2回では池田氏との対談を掲載し、世間を驚かせた。この記事は、担当編集者の藤井氏が当時の様子を振り返っている。
統一教会と創価学会 カルトと献金の闇を撃つ
鈴木エイト(ジャーナリスト)×島田裕巳(作家・宗教学者)
統一教会問題の報道で脚光を浴びた鈴木氏と、新興宗教が引き起こす社会問題に詳しい島田氏が、“生で本音”の激論で日本の裏事情を語り尽くした。人生を破壊するほどの献金や、カルト宗教信者を親に持つ子どもたちまで、他メディアが触れたがらないタブーに切り込んだ。なお、「はじめて語る宗教2世の苦しみ『信者だった母は去りました』」と「権力癒着は統一教会だけじゃない 創価学会の野望」も関連番組としてオススメしたい。
source : 文藝春秋 電子版オリジナル