1ページ目から読む
4/6ページ目
それらしい建物は見つけられなかったが、『パラノマサイト』に登場する風景も、恐らく北斎通りだと思われる。
馬鹿囃子(本所中学校付近)
現在の墨田区立本所中学校付近で起こったという怪異「馬鹿囃子」。
「夜中、どこからともなく祭囃子のような太鼓の音色が聞こえてくる。興味をもち音のする方に歩いていくと今度は別の方向から聞こえ、一向に近づくことができない」(『本所七不思議探索地図』より)
江戸の下町らしい、雰囲気のある話である。これだけ聞くと「聞き間違いや空耳だったのでは?」と思ってしまうが、平戸(現:長崎県平戸市)藩主の松浦静山も体験したと言われているらしく、具体的な名前が出てくると信憑性が高いような気がしてしまう。
学校ということで写真は掲載しないが、自分が通う学校にこんな言い伝えが残っていたら、クラスメイトと語る怪談話に花が咲くことだろう。
消えずの行灯(北斎通り付近)
本所南割下水(現在の北斎通り付近)で発生したと言われる「消えずの行灯」。
「蕎麦屋の屋台を見つけて近づくと、行灯だけが灯っていて誰も人はいない。火を消して帰ろうとしても消えず、無理に消した者は災いにあったという」(『本所七不思議捜索地図』より)
ただ提灯がついている、ただ拍子木の音が聞こえる、という他の七不思議とは違い、「消えずの行灯」は具体的に体験者に災いが降りかかるところが恐ろしい。
今回七不思議には数えていないが、逆に灯りのない真っ暗な蕎麦屋が出没する「灯りなし蕎麦屋」という怪異もあったそうなので、2つ合わせて出没してくれたらちょうどいいのだが……。