11月1日は〈犬の日〉。犬を飼う覚悟を語った馳星周さん、魚を狙う野鳥の姿から学んだという下重暁子さん……話題の人が動物とのかかわりを語った記事を、まとめて紹介する。
「日本人と犬」ペットから家族へ
馳星周(作家)
2020年の直木賞受賞作『少年と犬』の著者、馳氏は愛犬家としても知られる。「犬からの無償の愛を受け取っています」と、25年間にわたる犬との暮らしを振り返る。一方で「動物を飼うのに免許制を導入してはどうか」と、犬を飼うことの覚悟を語った。
わさおよ
工藤健(わさおプロジェクト代表)
焼きイカ屋の看板犬「わさお」は、“わさわさ”とした豊かな毛並みと愛嬌のある顔つきがもとで全国の人気者に。残念ながら、2017年にわさおはこの世を去った。「待つことを生きる力に変えることが出来るのか」と、わさおを支援してきた工藤氏は交流の日々からの学びを振り返っている。
「自然」と「無駄」のなかで生きる
養老孟司(解剖学者)×柴咲コウ(女優)
持続可能性をテーマに起業した柴咲さんの希望により、養老孟司さんとの対談が実現した。「猫を見ているとわかります」と、養老さんは持続可能性と身体性の深いつながりを語っている。一方、柴咲さんは、起業前から感じていた自然に対する畏怖の念を明かした。
人生に迷ったら「待ちなさい」
下重暁子(作家)
人気作家の下重氏は、水中の魚を狙う野鳥の姿に待つことの大切さを教えられたという。コロナ禍では外出自粛を強いられる日々が続いたが、下重氏は「自分と向き合うための時間がたっぷりある」と世間に語りかけていた。停滞感に焦りを覚える読者の胸には下重氏の言葉が響くはずだ。
ヒトは再び遊動生活をはじめる
山極壽一(京都大学前総長)
ゴリラ博士として知られる山極氏は、現在定着している定住生活は新しいライフスタイルで、ゴリラのような遊動生活こそ人類に適していると語る。「●●離れ」が若者に広まる現象は、人類が遊動生活に回帰を始めた兆しだという。
動物言語学の幕開け
鈴木俊貴(動物学者・東京大学准教授)
鈴木氏が学会発表した「シジュウカラの文法」は研究者から絶大な賞賛を受けたという。2023年には「動物言語学」と呼ばれる新しい学問分野が立ち上がった。「人間だけが言葉を持つ特別な存在ではない」と、鈴木氏は語っている。
source : 文藝春秋 電子版オリジナル